店舗の業態変更や厨房の改修では、「床の高さが合わない」問題が頻繁に起こります。防水層やグリストラップのために床を上げたい、設備撤去後のピットを埋めて平らにしたい、客席と厨房の段差をなくしたい——。この記事では、店舗・厨房の床かさ上げ・段差解消工事の進め方を、工程順に解説します。
かさ上げが必要になる典型パターン
- 厨房区画の新設: 排水管・グリストラップの勾配を確保するため、厨房の床を客席より上げる必要がある
- 設備撤去跡のピット・溝: 前テナントの機械基礎や配管ピットが残り、床に穴や溝が開いている
- 用途変更: 物販→飲食などで床の構成(防水・排水・荷重)が変わる
- バリアフリー化: 出入口や通路の段差解消
工事の進め方(標準工程)
1. 現地調査・レベル実測
現況レベルと仕上がりレベルを実測し、かさ上げの厚さを確定します。厚さ×面積で生コン数量が決まるため、ここが見積りの根拠になります。搬入経路(ポンプ車が着けられるか、エレベーター小運搬か)も同時に確認します。
2. 配管・設備工事との調整
コンクリートを打つ前に、床下に入る排水管・給水管・電気配管の工事を終わらせます。打った後からの変更は斫り直しになるため、設備図との突き合わせが最重要ポイントです。
3. 埋め戻し・打設
深いピットは砕石等で埋め戻してから、ワイヤーメッシュを敷いてコンクリートを打設します。既存スラブとの打継ぎ面は目荒らし・清掃で一体化を確保します。詳しい打設工程は土間コンクリート工事の徹底解説ページをご覧ください。
4. 表面仕上げ・後工程
厨房なら塗床(エポキシ・ウレタン)や防水、客席なら塩ビタイルやフローリングなど、仕上げ材に応じて金鏝押えの精度やセルフレベリングの要否を決めます。打設天端は仕上げ厚を引いた高さに設定するため、仕上げの決定は打設前に必要です。
工期と営業への影響
コンクリートは打設後、軽歩行まで翌日、重量物や次工程まで数日の養生が必要です(気温・配合による)。居抜き改修で工期が詰まっている場合は、早強コンクリートの使用や区画を分けた打設、夜間打設などで調整できます。内装工事全体のクリティカルパスに土間工事が乗ることが多いので、着工前の工程調整が効きます。
費用を左右するポイント
- かさ上げの厚さ(生コン数量に直結)
- ピット・溝の深さと埋め戻し材
- 搬入条件(ポンプ車不可・上層階は小運搬費が加算)
- 1回の打設面積(小さいほど㎡単価は割高)
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