オフィスや店舗の床改修で「下地はどこまで直せばいいのか」という質問をよくいただきます。答えは仕上げの種類によって大きく異なります。この記事では、OAフロア・置床(乾式二重床)・直貼りフローリング・塗床の4つについて、必要な下地精度と調整方法を解説します。
OAフロア: 支持脚の調整範囲がカギ
OAフロア(フリーアクセスフロア)は支持脚で高さを調整できるため、下地精度に最も寛容な仕上げです。ただし調整範囲には限界があり、大きなレベル差や急な段差は吸収できません。また下地が脆弱だと支持脚の接着が効かず、歩行時のガタつき・音鳴りの原因になります。「OAフロアだから下地はそのままでいい」とは限らない、というのが実務の感覚です。
置床(乾式二重床): レベル差より「面の連続性」
マンション改修で多い置床も支持脚で調整しますが、際根太まわりや開口部との取り合いでは下地の精度が仕上がりに響きます。局所的な凸は支持脚が傾く原因になるため、部分的な下地調整を行ってから組むのが確実です。
直貼りフローリング: 最も厳しい部類
接着剤で直接張る直貼りフローリングは、下地基準が最も厳しい仕上げのひとつです。下地に不陸があると接着不良・浮き・きしみが発生し、歩くたびに音が出ます。メーカー基準を満たすには、セルフレベリングでの全面平滑化が事実上の標準です。
塗床: 膜厚が命
エポキシやウレタンの塗床は、下地の凹凸がそのまま膜厚のバラつきになります。凸部は膜厚不足で早期摩耗し、凹部は材料が溜まって硬化不良のリスクが出ます。塗床本来の性能(耐薬品性・耐摩耗性)を出すには、平滑な下地が前提です。厨房や工場など重要度の高い床ほど、下地調整に投資する価値があります。
まとめ: 仕上げ別・下地要求度
- 要求が緩い: OAフロア(ただし脆弱下地・大きな段差はNG)
- 中程度: 置床・タイルカーペット
- 厳しい: 塩ビタイル・長尺シート・塗床
- 最も厳しい: 直貼りフローリング
「厳しい」以上の仕上げを予定しているなら、見積り段階でセルフレベリングを含めた下地調整を計画しておくのが安全です。工法と費用の詳細はセルフレベリング工事の徹底解説ページをご覧ください。
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