シーリング工事の工程の中で、材料費は数百円なのに省くと工事全体が無駄になる——それがプライマー塗布です。プライマーはシーリング材と被着面(外壁材・サッシ)の接着を化学的に確保する下塗り材。「数年で剥離した打替え」の原因調査で、最も多く行き当たるのがプライマーの不備です。
プライマーは「接着剤」ではなく「橋渡し」
シーリング材は粘着で付いているのではなく、プライマーを介して被着面と化学的に結合しています。被着体(ALC・金属・ガラス・塗装面・既存シーリング)ごとに表面の性質が違うため、材料メーカーは被着体別に適合プライマーを指定しています。「どの目地にも同じプライマー」は、この時点で間違いです。
失敗の3パターン
- 塗り残し・かすれ: 塗れていない部分から線状に剥離が始まる
- オープンタイム不足: 乾燥時間を待たずに充填すると溶剤が残り、接着不良や気泡の原因に。逆に時間を置きすぎても効果が落ちる(多くの材料で30分〜数時間の指定)
- ほこり・水分の上から塗布: プライマーは万能ではない。清掃と乾燥という前提を飛ばせば効かない
「プライマーレス」をうたう材料の注意点
一部にプライマー不要とされる材料・部位もありますが、適用条件(被着体・新築時のみ等)が細かく決まっています。改修の打替えでは既存材の残膜や劣化面が相手になるため、原則プライマーありと考えるのが安全です。
発注者ができるチェック
見積り・仕様書に「プライマー塗布」の記載があるか。使用材料名を明記しているか。工程写真(撤去後→プライマー→充填)を残してくれるか。塗ったかどうかは完成後には絶対に分からないからこそ、記録を残す業者を選んでください。シーリングの工程全体はシーリング工事の徹底解説で説明しています。
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