内装の塗り壁で必ず比較される漆喰と珪藻土。どちらも「自然素材の塗り壁」とまとめられがちですが、性質はかなり違います。ざっくり言えば、漆喰は「固まる石灰」、珪藻土は「吸放湿する土」。選び方を整理します。
漆喰: 石灰が固まる伝統材
消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とし、空気中の二酸化炭素と反応してゆっくり石灰石に戻りながら硬化します。特徴は、強アルカリ性による抗菌・防カビ性、火に強いこと、緻密で艶のある白い表面。城や蔵の壁に使われてきた実績が示すとおり、硬く締まった壁になります。調湿性はありますが、珪藻土ほどではありません。
珪藻土: 多孔質の調湿材
珪藻(植物プランクトン)の化石を主原料とし、無数の微細な孔が湿気を吸ったり吐いたりします。調湿性能は塗り壁の中でトップクラスで、結露対策・寝室・クローゼットに向きます。ただし珪藻土自体は固まらないため、必ず「つなぎ(固化材)」が配合されます。つなぎの種類(石灰系・樹脂系)で性能が大きく変わるため、製品選びが重要です。
選び方の目安
- キッチン・水廻り・カビが気になる場所 → 漆喰(アルカリの抗菌性)
- 寝室・北側の部屋・結露対策 → 珪藻土(調湿力)
- 艶のある白・シャープな意匠 → 漆喰
- マットで土っぽい質感 → 珪藻土
汚れやすさ・補修のしやすさは製品によるため、サンプルで確認するのが確実です。
共通の注意点: 下地とひび割れ
どちらも下地の動きに追従できる材料ではありません。ボードのジョイント処理・下塗りを省くと、下地なりにひびが入ります。塗り壁の品質は仕上げ材より下地づくりで決まる——これは左官全般に共通する原則です(左官下地の解説)。
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