床の不陸(凹凸や傾き)を直す方法は、大きく「モルタルによる左官調整」と「セルフレベリング」の2つです。結論から言うと、広い面積を高い平滑度で仕上げたいならセルフレベリング、局所的な補修や勾配づけならモルタルが基本の使い分けです。この記事では、精度・費用・工期の3つの観点から両者を比較します。
2つの工法の仕組みの違い
モルタル調整は、職人が鏝(こて)でモルタルを塗り付けて均す工法です。人の手で水平をつくるため、仕上がり精度は職人の技量に依存し、広い面積ではミリ単位のうねりが残ります。
セルフレベリングは、自己流動性のある液状材料を流し込み、材料自身が水平に広がる性質で平滑面をつくる工法です。人の手で均す工程がないため、技量差の影響を受けにくく、広い面積でも均一な精度が出ます。詳しい仕組みはセルフレベリング工事の徹底解説ページにまとめています。
精度で比べる
塩ビタイル・長尺シート・直貼りフローリングなど、薄物の仕上げ材は下地の凹凸をそのまま表面に拾います。仕上げ材メーカーの下地基準(一般に2mで数mm以内の平坦性)を確実に満たすなら、セルフレベリングが有利です。
一方、排水勾配をつけたい床はセルフレベリングでは施工できません。材料が水平に広がってしまうためで、勾配づけはモルタルの独壇場です。
費用で比べる
㎡単価だけを見るとモルタル調整のほうが安く見えることがありますが、判断材料は単価ではなく総額です。ポイントは次の3つです。
- 不陸の量: 全体に3〜15mm程度のレベル差が散っている床は、セルフレベリング(15mm厚 材工4,500円/㎡〜が目安)で一気に解消するほうが安く早く済みます。
- 範囲: 局所的な凹み数カ所だけなら、モルタルやカチオン系補修材での部分調整が合理的です。
- 後工程: 下地精度が不足して仕上げ材の張り直しが発生すると、その手戻り費用は下地調整費を簡単に超えます。
工期で比べる
セルフレベリングは流し込み自体が1日で終わる現場がほとんどで、軽歩行は翌日から可能です(材料・気温による)。モルタルは塗り厚によっては乾燥養生に時間がかかり、仕上げ材の施工開始が遅れることがあります。改修工事のように工期が詰まっている現場では、この差が効いてきます。
迷ったら「仕上げ材」から逆算する
どちらの工法が正解かは、床そのものではなく「上に何を載せるか」で決まります。仕上げ材の下地基準・水がかりの有無・勾配の要否・工期を並べれば、答えはほぼ自動的に出ます。両方の工法を扱う業者に現地を見てもらい、理由付きで提案を受けるのが確実です。
iCraftにご相談ください
合同会社iCraftは、セルフレベリングとモルタル左官の両方を自社で施工しています。工法ありきではなく、仕上げ材と現場条件から最適な下地調整をご提案します。数㎡の部分補修から300㎡クラスまで、東京・埼玉・千葉・神奈川で対応。現地調査・お見積りは無料です。
