改修した屋上に立っているキノコのような金物——あれが「脱気筒(だっきとう)」です。役割はひとつ、防水層の下にたまる水蒸気を外へ逃がして、膨れを防ぐこと。この記事では、脱気筒の仕組みと必要性を解説します。
膨れはどこから来るのか
コンクリートの下地は、見た目が乾いていても内部に水分を含んでいます。夏の日差しで屋上の表面温度が上がると、この水分が水蒸気になって体積を増し、行き場を失って防水層を風船のように押し上げます。これが「膨れ」です。膨れを繰り返すと防水層が疲労し、破断につながります(膨れの原因と対策の解説)。
脱気筒の仕組み
通気緩衝工法(ウレタン)や機械固定工法(シート)では、防水層と下地の間に通気できる層があります。脱気筒はこの通気層とつながっていて、下地から出た水蒸気を筒の頭部から大気へ逃がします。雨水が逆に入らないよう、頭部は傘状の構造になっています。設置数の目安は50〜100㎡に1本程度で、水上(勾配の高い側)に設置します。
脱気筒がない改修は要注意
雨漏り歴のある屋上や既存防水の上からの改修で、密着系の工法・脱気筒なしの見積りが出てきたら、膨れのリスクを確認すべきです。下地の含水を逃がす設計になっているか——ここが改修防水の品質を分けます。
メンテナンス
脱気筒自体は基本的にメンテナンスフリーですが、頭部の破損・固定部の緩み・まわりの防水の状態は、年1回の屋上点検で見ておきたいポイントです。
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