シーリングの仕様書に出てくる「ワーキングジョイント」「ノンワーキングジョイント」。これは目地が動くか、ほとんど動かないかの区分で、材料選定から納まりまで、シーリング設計の出発点になる考え方です。
ワーキングジョイント: 動く目地
温度変化による部材の伸縮、地震や風による層間変位で、目地幅が大きく変化する目地です。代表例は、金属パネルの目地、ALC・押出成形セメント板などパネル構造の外壁目地、カーテンウォールまわり。動きに追従できる低モジュラス(柔らかい)材料と、二面接着の納まりが必須です。三面接着になっていると、動きのたびに材料が引きちぎられます(二面接着をつくる部材の解説)。
ノンワーキングジョイント: ほとんど動かない目地
RC躯体の打継ぎ目地、ひび割れ誘発目地など、部材が一体化していて動きが小さい目地です。動きの追従より止水性・強度を優先でき、材料・納まりの選択肢が広がります。条件次第では増し打ちが許容されるのも、主にこちらの目地です。
なぜ区分が重要なのか
同じ「外壁の目地」に見えても、ワーキングかどうかで正解が変わります。
- 材料: ワーキングには低モジュラス、ノンワーキングには用途に応じた選定
- 接着: ワーキングは二面接着が絶対条件
- 目地幅・深さ: 動きの量(ムーブメント)から必要幅を計算する。狭すぎる目地は材料の能力を超える
「どこも同じ材料で同じように打つ」業者と、目地の性質を見て仕様を変える業者では、10年後の状態に差が出ます。
見分け方の目安
パネルとパネルの間=動く、一体の躯体の切れ目=動きにくい、が大まかな目安です。ただしサッシ廻りのように部材と躯体の取り合いで動きが複合する部位もあり、最終的には構造と部材から判断します。
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