モルタルは「セメント1:砂3」とよく言われますが、実際には用途で配合を変えます。この記事では、左官工事で使うモルタルの調合比の基本と、水の量の考え方を解説します。
基本の配合比(容積比)
- 1:2(富調合): 強度・防水性重視。仕上げ塗りや水がかり部、薄塗りの補修に
- 1:2.5〜1:3(標準): 床の下地調整・張り物の下地など、最も広く使う配合
- 1:3〜1:4(貧調合): 厚付けの下塗りなど。収縮が小さくひび割れにくいが強度は低い
セメントが多い(富調合)ほど強く緻密になりますが、そのぶん乾燥収縮が大きく、厚く塗るとひび割れやすくなります。「強い配合=良い」ではなく、下塗りは貧調合・仕上げは富調合が伝統的な考え方です。
水の量: 柔らかくした代償は大きい
水を増やすと塗りやすくなりますが、強度低下・収縮増・粉っぽい表面(脆弱層)の原因になります。目安は「握って形が残る程度」から用途で調整し、一度に練る量は使い切れる量まで。時間が経って硬くなったモルタルに水を足して練り直す「シャバ練り直し」は品質を大きく落とします。
砂と混和材
砂は粒度のそろった川砂・山砂を使い、泥分の多い砂は付着不良の原因になります。既調合(プレミックス)モルタルは品質が安定しており、少量の補修や高い性能が要る部位では既調合を選ぶのが現在の主流です。ポリマー(樹脂)入りは付着力と防水性が向上し、薄塗りや下地調整に向きます(カチオン系補修材の解説)。
現場での品質管理
配合は「材料」ですが、品質は「管理」で決まります。計量を目分量にしない、練り置き時間を守る、下地の吸水調整(水湿し・シーラー)をしてから塗る。この3つを守るだけで、剥離・ひび割れの多くは防げます。
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