屋上やバルコニーの防水層にできる風船のような「膨れ」。踏むとフワフワする、夏に膨らんで冬にしぼむ——これは下地に残った水分が水蒸気になり、防水層を押し上げている状態です。放置すべきか、直すべきか。原因から解説します。
膨れのメカニズム
下地のコンクリートやモルタルは内部に水分を含んでいます。日射で表面温度が上がると水分が気化し、体積が一気に増えます。防水層が下地に密着していると蒸気の逃げ道がなく、接着の弱い部分で防水層が持ち上がる——これが膨れです。施工不良というより、「下地の水分」と「密着工法」の組み合わせで構造的に起こる現象です。
膨れは即・雨漏りではない。ただし
膨れた状態でも防水層が破れていなければ、水は入りません。ただし、膨張と収縮を繰り返すたびに防水層は引き伸ばされて疲労し、やがて破断します。歩行でつぶして穴が開くケースも。つまり膨れは「今すぐの雨漏り」ではなく「時限式の劣化」であり、数が増えてきたら改修計画を立てるサインです。
応急処置と本格対策
- 応急: 膨れをカットして水分を逃がし、部分補修。ただし下地の水分が残る限り再発します
- 本格対策(改修): 下地と防水層の間に通気層をつくる工法へ切り替える。ウレタンなら通気緩衝工法+脱気筒、シートなら機械固定(絶縁)工法です
「膨れを補修してもまた膨れる」を繰り返している屋上は、密着系で塗り直し続けている可能性が高く、絶縁系への切り替えが根本解決になります(通気緩衝工法の解説/シート防水(機械固定)の詳細)。
見積り確認のポイント
膨れのある屋上の改修見積りでは、「下地の含水をどう逃がすか」が書かれているかを見てください。通気緩衝シート・絶縁シート・脱気筒の記載がない密着系の見積りは、再発リスクを確認すべきです。
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